しかし、金正恩氏の指示には逆らえず、何があっても貫徹しなければならない。イルクン(従業員)たちは、渋々建て直しに乗り出したが、資材が全く足りない。そこで、「あるもの」を活用することにした。
それは元の建物に使われていた「資材」だ。一旦、既存の建物を取り壊して、レンガ、スレート、コンクリートの基礎、板、釘など使えそうなものは全部取っておいたうえで、新たな建設にとりかかった。
新しく立て直すために、元の建物の資材を再利用するーーまさに本末転倒だが、住民や幹部からは、「リサイクルした材料で建て直して何が現代化だ」という不満の声や「何のために、こんなことをやっているのかワケがわからない」などと言った疑問の声が続出している。
ここまでしても金正恩氏が強調する「現代化」には資材が全く足りず、当局は「いつもの手法」で資材や資金を集めることにした。