中国・丹東市と北朝鮮の新義州市を結ぶ中朝貿易の要である「鴨緑江大橋」。事故によって一部が破損し、通行止めだったが、4日間の修理を経て5日より通行が再開されたと平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

鴨緑江大橋の事故現場。一部がガタガタになっているのが見て取れる。(画像:騰迅大遼網)
鴨緑江大橋の事故現場。縁石がガタガタになっているのが見て取れる。(画像:騰迅大遼網)

修復された鴨緑江大橋は、72年前に建設され朝鮮戦争時の爆撃や交通量の多さで老朽化が進んだことから重量制限がかけられていた。

中朝両国の税関は積載量を見逃す権限を持っていたが、今回の事故をきっかけに権限は廃止され、15トンまでに制限。中朝貿易への悪影響は避けられないだろう。とりわけ、労働党創建70周年記念行事を控えた北朝鮮にとっては死活問題になりかねない。

大量の鉱石が通過した橋

鴨緑江大橋は、20トンから30トンコンテナが日常的に通過してきたが、最大で50トンのコンテナが通過することもあった。北朝鮮の鉱石を中国側に輸出するためだ。

90年代以降は、外貨稼ぎのために石炭、金、銀、銅、鉛、磁石など様々な鉱石が輸出され、トラックは概ね過積載状態にならざるをえない。しかし、北朝鮮当局は制限せず、橋の老朽化に拍車をかけてしまった。

北朝鮮は、10月10日の記念行事を控えて最も資金が必要な時期だ。大型コンテナトラックの通行不可によって、中型以下のトラックで鉱石を運んでいるが、やはり効率が悪い。外貨稼ぎのノルマを課せられた北朝鮮の貿易関係者の間では苛立ちが高まっているという。

築72年の鴨緑江大橋に代わる物流の通過点として、「新鴨緑江大橋」が建設されているが、北朝鮮側の連絡道路の建設がストップしている状況だ。中朝関係の悪化も影響して、正式に開通する目途もたたない。

今年3月に撮影された新鴨緑江大橋の衛星写真。橋と中国側(左岸)の施設工事は完了しているが、北朝鮮側(右岸)の連絡道路の工事が全く行われていない。(画像:Google Earth)
今年3月に撮影された新鴨緑江大橋の衛星写真。橋と中国側(左岸)の施設工事は完了しているが、北朝鮮側(右岸)の連絡道路の工事が全く行われていない。(画像:Google Earth)

きっかけは事故だが、中朝貿易の停滞は北朝鮮の「自業自得」が招いた事態と言わざるをえない。

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