以上のような状況を踏まえ、また、各方面からの情報を総合するに、北朝鮮は工場からのミサイルを搬出して5日間ほどの準備期間があれば、発射準備を終えることが可能だと分析できる。
ということは、朝日新聞の報じた「貨物列車」がミサイル搬出の動きであるならば、7日~9日あたりに発射される可能性が高いと筆者は見ている。
だが、本当に重要なのはいつ発射されるかではなく、発射の結果がどう出るか、ということだろう。
あまり知られていないのだが、北朝鮮は実は、ミサイルに搭載する核弾頭の小型化を進展させていると、自ら宣言している。
それも含め、今度のミサイル発射から北の核武装の実態がうかがえるかどうか、大いに気になるところだ。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。