そこには巨額の予算が費やされているのであり、技術的に解決不可能なトラブルでも起きなければ、発射を実行するだろう。
そもそも、北朝鮮の発表をつぶさに読めば、必ず10日までに打ち上げるとは言っていないことがわかる。
金正恩氏は、ミサイル発射の成功――つまりは弾頭の衛星軌道への投入成功――を優先し、発射の日時もそれに沿って決めるのではないか。
とはいっても、いつまでもダラダラと、発射が引き延ばされることもないはずだ。国威発揚などの政治的効果を考えれば、10日までに成功させるに越したことは無い。
それにどの国の軍隊もそうだが、こうした取り組みは実戦と同等の軍事作戦として行われる。そうである以上、敵に対応する猶予を与えず、素早く確実に実行することが求められる。北朝鮮は、すでに複数回にわたり「衛星打ち上げ」と称したミサイル発射を行ってきているのだから、金正恩氏ら上層部としても、何週間もかけて発射準備を行う余裕など、軍部に与えはしないだろう。