北朝鮮の朝鮮中央通信と労働新聞は18日、金正恩第1書記が深刻な水害に見舞われた咸鏡北道(ハムギョンブクト)羅先(ラソン)市の被災地を現地指導したことを報道した。

羅先市の被災現場を現地指導した金正恩第1書記/2015年9月18日付労働新聞より
羅先市の被災現場を現地指導した金正恩第1書記/2015年9月18日付労働新聞より

朝鮮中央通信によると、金正恩氏は「水害によって家を失い、野外で生活する羅先市水害被災民のために眠れなかった、自身が直接水害復旧現場を見て回ってこそ、安心できそうなので訪ねてきた」と述べた。

しかし、労働新聞に掲載された金正恩氏は、時折深刻な表情を浮かべているが、総じて笑みを浮かべるなど、被災地を訪れたという緊張感は見られない。さらに、被災者の姿もほとんど見られない。高台で金正恩氏が指導する姿を、遠巻きに眺める住民らしき集団が確認されるぐらいだ。

高台で幹部に何かを話す金正恩氏。下の方に住民達が見られる。/2015年9月18日付労働新聞より
高台で幹部に何かを話す金正恩氏。下の方に住民らしき集団が見られる。/2015年9月18日付労働新聞より

復旧作業の現状について金正恩氏は、「数千所帯の浸水住宅に対する補修作業と羅先市の電力、逓信、鉄道網に対する臨時復旧を基本的に終えた」と言い切っているが、国連や国際援助NGOなどの調査によると「水害地域の住民のほとんどが現在公共施設で避難生活を送っており、水や食料へのアクセスが絶たれている状況」と報告しており、復旧にはまだ時間がかかると見られる。

現地指導には、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)氏、李日煥(リ・イルファン)氏、趙甬元(チョ・ヨンウォン)氏が同行した。

朝鮮中央通信の報道全文は次の通り。

金正恩元帥が羅先市被害復旧作業を現地で指導

【平壌9月18日発朝鮮中央通信】

朝鮮労働党第1書記、共和国国防委員会第1委員長、朝鮮人民軍最高司令官の金正恩元帥が、羅先市被害復旧作業を現地で指導した。

金正恩元帥は水害によって家を失い、野外で生活する羅先市水害被災民のために眠れなかった、自身が直接水害復旧現場を見て回ってこそ、安心できそうなので訪ねてきた、ところが今日、現地に来て朝鮮労働党の命令であるなら水火を辞せず決死の覚悟で貫徹する人民軍将兵の献身的なたたかいによって人民が住むようになる住宅が雨後のたけのこのように建設されるのを直接見ると、心配がすべてなくなるようだと述べた。

朝鮮労働党が羅先市被害復旧作業のための重大措置を連続取り、多量の食品と生活必需品などを送ったことによって人民が生活上の安定を取り戻し、党の重なる恩情に感激して激情の涙を流しているという報告を受けて、金日成主席と金正日総書記が一生涯、天のごとく見なしたわが人民の運命に全的に責任をもって温かく見守るのは朝鮮労働党の当然な本分である、われわれは人民のためのことでは満足がありえないと語った。

軍民が力を合わせて被害復旧作業が始まった時から現在まで、数千所帯の浸水住宅に対する補修作業と羅先市の電力、逓信、鉄道網に対する臨時復旧を基本的に終えたのは大きな成果であると述べた。

水害を被った人民に以前の家よりもっとすばらしくて現代的で立派な住宅を建設してやろうというのが自身の決心であるとし、羅先市被害復旧作業において基本対象である住宅の建設をいっそう力強く展開することを指示した。

すべての建設者が党の決心であるなら山岳も移し、海も埋めるという決死貫徹の精神をあまねく発揮して羅先市被害復旧作業を朝鮮労働党創立70周年前に最上の水準で無条件終えることによって、10月の空に社会主義万歳の声、労働党万歳の声、一心団結の万歳の声がより高らかに響くようにしようと熱烈にアピールした。

金正恩元帥は、変わることなくいちずな心でわが党だけを固く信じ、従っているわが人民はこの世で一番よい人民であるとし、われわれはこのような立派な人民の信頼と期待を一瞬も忘れず、人民の幸福な未来のために献身奮闘しなければならない、金日成主席と金正日総書記が残したわが人民を主席と総書記を奉じるようによりよく見守っていこうと胸熱く述べた。

朝鮮人民軍の黄炳瑞総政治局長(朝鮮人民軍次帥)、朝鮮労働党中央委員会の李日煥部長、趙甬元副部長が同行した。

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