在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)は7日、東京・千代田区にある中央本部の講堂で、北朝鮮の建国67周年(9月9日)記念の祝賀宴を開催した。朝鮮総連の関係者によれば、参加者は在日朝鮮人と日本の政界・マスコミ関係者、駐日中国大使、同ロシア大使、同シリア大使ら約200人。現職国会議員の姿は見られなかったという。

祝賀宴で演説した許宗萬議長は、日本は戦後70年の今もなお、日本政府は在日朝鮮人を差別し続けていると指摘。北朝鮮が、ストックホルム合意に基づく日本人拉致被害者らの再調査結果をいつ報告するかは「すべて日本側にかかっています」などと主張した。

北朝鮮は、北朝鮮産マツタケの不正輸入事件で朝鮮総連幹部らが捜索を受けたことなどに対し、拉致問題等の日朝対話の中断を示唆した経緯がある。

朝鮮総連は6、7日にも、北海道本部が助成金詐欺容疑の関係先として北海道警の捜索を受けている。

許宗萬議長の演説全文は次の通り。

尊敬する日本の友人の皆さん。駐日外国公館員をはじめとする外国の友人の皆さん。親愛なる同胞の皆さん。

私は、まず朝鮮総連中央常任委員会を代表して、朝鮮民主主義人民共和国創建67周年の祝賀宴にご参席された皆さんを、心から歓迎します。

ご承知のように、朝鮮人民にとって今年は、祖国解放と朝鮮労働党創建70周年の大変意義深い年です。

朝鮮人民は、金正恩第1書記が新年の辞で、敵対勢力の挑戦と策動を打破し、社会主義を守り、強盛国家建設のすべての分野で勝利を収めようと述べた方針を貫徹し、社会主義経済強国、文明国建設で日進月歩の飛躍的発展を成し遂げています。

今、我が国では世界に誇る最新の生産設備を完備した工場や科学、教育、福祉の関連施設、子供たちの未来への夢を育む文化施設が、各地で次々と建設されています。また、朝鮮労働党創建70周年を最大の政治的祭典に輝かせるため、我が人民は自主・先軍・社会主義の道に対する確固たる信念を持って、金正恩第1書記を中心に一致団結し、経済建設と人民生活向上のための今年の目標を早期に達成すべく、一丸となって邁進しています。

金正恩第1書記は新年の辞で、北南関係においても大転換、大変革をもたらし、全民族の力で自主統一の大道を切り開こうと力強く訴えました。

周知のように今回、南朝鮮当局が軍事境界線の南側警備区域で事故を口実に行った一方的な行動により、朝鮮半島では一触即発の全面戦争の危機が生じましたが、我が国の強いイニシアチブによって、非常に危険な米韓合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」の最中にもかかわらず、北南双方が真摯に向き合い、虚心坦懐に話し合った結果、戦争の危機を回避したばかりではなく、新年の辞で明らかにしたように、北南関係改善への画期的な転換局面を切り開きました。

今回の北南高位級緊急接触の結果は、外部勢力に依存したり、干渉されることなく南朝鮮当局が対話のテーブルに着き、わが民族同士の理念に従って、すべての問題を自主的に解決していくことが、北南関係を解決する正しい道であることを明確に示しました。南朝鮮当局は、北南当局間対話と民間交流の活性化など関係改善を主たる内容とする今回の合意に反する言動を慎み、これを契機に6・15共同宣言と10・4共同宣言を尊重し、誠実に履行すべきです。

朝鮮半島の平和と安定、北南関係の改善のためには、解放後70年も駐韓米軍基地を維持し、南の軍事統制権まで握り続け、朝鮮半島を分断し緊張を激化させている米国が、我が国に対する敵視と戦争挑発行為をやめることが不可欠です。米国の戦略目標は、朝鮮半島の非核化ではなく、米国一色化にあります。朝鮮の社会主義を崩壊させることにあることは、明らかです。米国は朝鮮半島と地域の平和と安定を脅かす、このような時代錯誤的な対朝鮮敵視政策を直ちにやめるべきです。我が国は何があっても、自主の原則に基づき自主の道を力強く歩み続けるでしょう。

わが朝鮮民族は今年の8月、日本帝国主義の過酷な侵略と植民地に終止符を打った歓喜に満ちた祖国解放70周年を迎えました。在日朝鮮人は、この日を契機に亡国の民としての屈辱と隷属から解放され、人間的尊厳と民族の誇りを取り戻しました。

しかしその一方で、この70年間、祖国分断の悲劇に加え、日本政府による民族差別という二重の苦しみを強いられてきました。

日本は戦後70年の今もなお、侵略と植民地支配の被害者である我が国対し、加害国の義務である償いをするどころか、植民地支配の最大の犠牲者ともいえる在日朝鮮人とその子孫までも差別し、弾圧し続けています。戦後世界において、このような不条理にある国は日本だけであり、これを正当化することは国際法違反、国際観念からしても到底許されることではありません。

過去は現在を灯し未来を照らす灯火だといわれますが、過去の過ちを覆い隠し消し去ろうとすればするほど、後世により大きな重荷を背負わせる不幸な事態を招くことになるでしょう。

日本当局は過去の教訓から今日の誤りを正し、新たなスタートを切るためにも朝日平壌宣言の精神に基づき、両国の不幸な過去の精算と国交正常化に本格的に取り組むべきだと思います。我が国はストックホルム合意を誠実に履行しており、再調査結果をいつでも報告・発表する準備ができています。最近、岸田外相は国会で、「再調査については期限を設けず報告を要求する」と答弁しましたが、調査報告をいつ発表するかは、すべて日本側にかかっています。

今年結成60周年を迎えた朝鮮総連の歴史には、各界の友人の皆さんと暖かい支援と協力、朝日友好親善の軌跡が刻まれています。我々は今後、いかなる情勢の下でも在日同胞の生活と権利をしっかりと守り抜き、朝日友好親善と祖国の自主的平和統一に貢献すべく尽力していく所存です。私はこの場を借りて、日本の友人の皆さんお変わらぬご支援、ご協力を願う次第です。

私は最後に尊敬する金正恩第1書記の健康を祈念し、朝日友好親善の更なる発展と、ここにお集まりの皆さんのご健勝を願って乾杯したいと思います。

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