北朝鮮の国営工場、企業所が「私金融業者」、すなわち「ヤミ金」から運転資金を調達している。独立採算制の導入で、国から企業所への資金調達が途絶えているからだ。
北朝鮮版「ヤミ金」事情について、平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。
国営企業とヤミ金
これまで、ヤミ金業者から運転資金を調達するのは主にトンジュ(金主、新興富裕層)だった。しかし、民間人であるトンジュの場合、知人の紹介や一定規模の貿易業、卸売業を営んでいることを証明する当局の許可証がなければ融資を受けるのは難しい。
一方、国営工場、企業所の場合は設備を担保に融資を受けることが可能だ。手っ取り早く運営資金を調達するため、ヤミ金融に手を出すようになった。