しかし、この利益は北朝鮮当局の規制で外貨に換金できず、北朝鮮国内に貯まる一方だという。報告書では、国際社会が行っている経済制裁によって北朝鮮からの送金ができず、さらに携帯電話に関する技術を持ち込んだり持ち出したりすることも困難な状況を伝える。

さらに、北朝鮮には自由な外為市場が存在しないこともオラスコムに大きな足かせとなっている。会計報告書の営業利益は北朝鮮当局が公示した1ドル100北朝鮮ウォンのレートを適用したものだが、市場での闇レートは1ドル8200ウォンだ。これを適用すると利益が98%も減りオラスコムは大損害を被る。

海外に持ち出す利益にどのレートを適用するかを巡って、オラスコムと北朝鮮当局は交渉を続けてきたが、合意に達していない状況だ。また、北朝鮮第3の携帯電話会社「ピョル」(星)との競争も、携帯電話事業の障害となっていると報告書は指摘している。

オラスコムは安定的な事業のために、北朝鮮第2の携帯電話会社「強盛ネット網」との合併も視野に入れて数ヶ月にわたって交渉を行ってきたが、話しがまとまる気配はない。

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