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北朝鮮のヤミ経済でパワーを増している新興富裕層が、利権の奪い合いの過程でマフィア化し、互いに抗争や暗殺を繰り広げている。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が、北朝鮮国内の情報源の話として伝えたところによると、中朝国境に面した咸鏡北道恩徳(ウンドク)郡の貴洛(クィラク)里で19日、地元住民と流れ者の一団との間で大規模な乱闘があったという。情報源は次のように説明している。

「石が飛び交い、ツルハシやシャベルが凶器に使われた乱闘では3人が死に、数十人が負傷した。原因は、トンジュに雇われた流れ者たちが地元住民から石炭の採取場を奪おうとしたことだった」

司法も手を出せない「暗殺」の黒幕

主に高利貸しなどをして富を蓄えた「トンジュ(金主)」は、党や軍の幹部らをカネで抱き込み、北朝鮮社会の裏側でわがもの顔で振舞うようになっている。その一部が昨年来、咸鏡北道の石炭ビジネスに食指を伸ばしており、利権拡大をねらったグループが、地元住民の生計の柱となっている採取場まで強奪しにかかったというわけだ。