10月10日の労働党創建70周年に向けて、平壌市内では大々的な建設工事が行われ、地方から動員された数万人の「突撃隊員(建設支援部隊)」が投入されている。ところが隊員達が任務をサボタージュしているとラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝える。

未来科学者通りの建設現場で働く突撃隊員たち(画像:労働新聞)
未来科学者通りの建設現場で働く突撃隊員たち(画像:労働新聞)

政権就任から4年を迎える金正恩第一書記は、科学技術者殿堂と未来科学者通りの建設事業に、力を入れている。本格的な「金正恩時代」の幕開けを華々しく飾るためだ。しかし、動員された突撃隊員たちは、賃金が一切もらえない。報酬がない「突撃隊員」たちは、仕事をサボって、カネになる個人宅の修理やリフォームの仕事に精を出しているというという。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)から動員された20代青年は、RFAに対して次のように語った。

「賃金なしで12時間以上の重労働をさせられる。生きていくために仕事をサボり、賃金のもらえる別の仕事をやるしかない」

例えば、彼らは個人の家での練炭作り、内装工事をやれば中国人民元で100元(約2000円)の賃金がもらえる。最近はトンジュ(金主、新興富裕層)が家のリフォームをすることが多く、このような仕事が増えている。

こうした、いわばアルバイトに対して、かつては食事を振る舞うだけだったが、今では労働者からの要求に応じて、賃金を支払うのが通例になっている。

「最近、突撃隊員たちは『働いた分だけ賃金がもらえるところで働きたい』と表立って声を上げるようになっている。報酬は、人民元や米ドルで賃金を受け取れるので、隊員たちもかなり喜んでいる」(前述の突撃隊員)

賃金を受け取る喜びとその意味を知った北朝鮮の労働者たちが、当局は未だに「資金がない」などの理由をつけて、建設工事をタダ働きで済まそうとしている。

これまで、北朝鮮当局は道路建設銅像建設など様々な事業の労働力を動員された住民で補ってきた。そればかりか、住民に資材や食料まで供出させるタカリぶりだった。

しかし、市場経済化に伴い「労働の対価を賃金で支払う」という、通常の概念が広まりつつある。今後は、「動員とタダ働き」で何でも済まそうとするのは、ますます難しくなるだろう。

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