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そもそも、日本政府が2006年に独自制裁に踏み切ってから、9年が経つのである。昨年、北朝鮮が歩み寄りを見せ、ストックホルム合意が交わされた時、制裁強硬論を唱える陣営からは「これぞ制裁の勝利だ!」とあたかも勝利宣言のような声があがったが、日朝がやっと交渉のテーブルの席についただけであり、勝利どころか勝負が再開しただけだった。そして、一年経ってこの結果である。

日頃から声高に「拉致の全面解決!」と唱えている政治家は、いちどなぜ進展がないのかということをきちんと振り返って考えるべきだ。

北朝鮮と本気で交渉をする気があるのなら、その場しのぎの圧力やパフォーマンスではなく、より戦略的で効果的な圧力、そしてタフな対話による交渉が必要である。拉致問題以上に、国際的問題である核・ミサイルにおいて、世界の二大大国である米国と中国が、北朝鮮のタフな外交戦略に手を焼いているのだ。たかだかマツタケ捜査で、北朝鮮が10年以上続けてきた頑なな姿勢を変えることが出来ると思うこと自体が、あまりにも的外れだろう。