こうした家畜売台が登場した背景には、市場への統制が緩和、いわば「規制緩和」がある。金正恩体制は、統制を緩めれば住民たちの生活は楽になり、人気がアップすると見込んでいるようだ。また、売台を増やせば管理費などの収入が増えるという地方行政府の思惑もある。
今のところ、地方では家畜を販売する売台はさらに拡大しそうな勢いを見せているが、都会の市場では頭打ちという見方もある。90年代から2000年代初頭の苦難の行軍の頃は、都会でも「生きた財産」として家畜を飼っていた。しかし、ビジネス手段が多様化した今の北朝鮮では、家畜の飼育は手間暇掛かることから敬遠されるからだ。