中朝国境に面した北朝鮮の両江道(リャンガンド)で、ゲリラ豪雨が降り続いていたことから、道庁所在地の恵山(ヘサン)市だけでも17人が亡くなったと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。周辺地域まで含めると被害がさらに拡大するおそれがある。

中国から撮影した恵山の町並み (画像:milky0733)
中国から撮影した恵山の町並み (画像:milky0733)

6月の1ヶ月間、平安北道(ピョンアンブクト)の高原(コウォン)、陽徳(ヤンドク)、咸鏡道(ハムギョンド)の咸興(ハムン)以北など、北朝鮮の北部を中心に大雨が降った。

なかでも、両江道の大雨被害が深刻で、恵山だけでも死者が17人を超え、農村地域まで含めると、さらに多くの死者が出たという。

6月14日には恵山郊外の剱山(コムサン)洞を流れるワンドッコルが氾濫し畑が浸水。また、6月17日午後4時頃には春洞(チュンドン)川に掛かる橋が雹と大雨に流され、橋の上にいた6人が流され、死亡した。

6月22日には蓮峰(リョンボン)2洞の住宅が崩壊、家族5人が死亡、 英興(ヨンフン)1洞でも住宅十数戸が崩壊、子どもや老夫婦など6人が死亡した。恵化(へファ)洞でも谷の水が溢れて周辺住民が緊急避難するなど、大雨被害が相次いでいる。

さらに、白頭山観光鉄道の渭淵(ウィヨン)駅からカリム駅までの区間の工事を行っていた「白頭山軍青年突撃隊」3旅団でも大雨で30数人が流されて行方不明になった。ただし、大雨に乗じて自宅や中国に逃亡した可能性も持ち上がっている。

鴨緑江を挟んで対岸の中国吉林省でも大雨が降っている。中国メディアによると、6月1ヶ月間に繰り返し「黄色暴雨警報」が出されている。これは4段階の下から2番めのもので「注意を要する」程度のもので、これと言った被害は出ていない。中国ではなんともない雨でも、災害対策インフラの整備が遅れている北朝鮮では深刻な被害が出てしまうのだ。

その一方、北朝鮮は干ばつに備えた設備の支援をイラン政府に求めている。

米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)はイラン国営IRAN通信と半国営のファルス通信の記事を引用し、イラン駐在のカン・サムヒョン北朝鮮大使が、イラン赤新月社に干ばつ設備の支援を求めたと伝えた。

この要請は、朴奉珠(パク・ポンジュ)内閣総理の名義で行われたもので、赤新月社の関係者は「状況把握後、最大限の支援ができるよう最善をつくす」と語った。

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