北朝鮮の玄永哲元人民武力部部長の処刑について様々な理由が取り沙汰されているが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は「居眠り」がきっかけに様々な余罪が発覚したことが理由だと伝えている。

第5次訓練イルクン大会玄永哲居眠り/2015年4月26日付労働新聞より
第5次訓練イルクン大会で居眠りしているように見える玄永哲氏/2015年4月26日付労働新聞より

北朝鮮の内部情報筋はRFAの取材に対して、朝鮮人民軍高級幹部から聞いた話として次のように伝えた。

玄永哲氏は、5月25日、26日に平壌で開かれた訓練イルクン大会に参加した。主席壇に座っていた玄永哲氏はうつらうつらと居眠りしてしまった。これが隣に座っていた黄炳瑞(ファン・ビョンソ)氏にバレて、金正恩氏にも目撃されてしまった。

大会終了後の総和(総括)の場で金正恩氏は激怒し、玄永哲氏に詰め寄った。ところが、玄永哲氏は居眠りの事実を認めようとしなかったため、金正恩氏をさらに怒らせた。後に会場に設置されていた監視カメラの映像を見せつけられて、玄永哲氏は認めざるを得なくなったが後の祭りだった。

金正恩氏はその場で、玄永哲氏と軍の師団長クラスの幹部2人への処罰を命じた。玄永哲氏は人民軍保衛司令部に連行され3日間取り調べを受けた。「最高司令官の命令への不服従」以外にも様々な余罪が見つかり「裏切り者」「反党反革命分子」の烙印を押された。

そして、5月30日に朝鮮人民軍総政治局、人民武力部、総参謀部高級軍官たちが見守る中で、江健軍官学校の射撃場で2基の高射機関砲に撃たれて処刑された。

一方、当初処罰を命じられた軍の高級幹部の関する情報については定かではないという。

金正恩氏の恐怖政治は北朝鮮国内の雰囲気を凍りつかせている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)市の内部情報筋はRFAに対して、玄永哲氏の処刑の話は国境警備隊員の間でもすでに広がっており、皆が息を潜め、命令にも服従していると伝えた。

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