北朝鮮で都市住民や軍人たちを大々的に動員して行われていた北朝鮮の「田植え戦闘」「農村支援戦闘」が、先週18日ごろに終了。動員されていた都市の住民たちのほとんどが農村から家に戻っていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

田植え戦闘の時期にテレビでよく流される標語「皆立ち上がり田植えを適期に質良く行おう」(画像:朝鮮中央テレビキャプチャー)
田植え戦闘の時期にテレビでよく流される標語「皆立ち上がり田植えを適期に質良く行おう」(画像:朝鮮中央テレビキャプチャー)

平安北道(ピョンアンブクト)の内部情報筋によると、同地域では18日までに支援活動は終了した。まだ「雑草取り戦闘」が残っているが、遠隔地の農場での泊まりがけの作業ではなく、自宅近辺の農場での日帰り作業だ。

農村支援は終わりつつあるが、北朝鮮メディアは「過去100年で最悪の干ばつ」と報じている。国連や韓国も「干ばつで食糧事情が悪化する可能性がある」と主張。しかし、北朝鮮の住民たちからは「そこまでひどくない」という証言もある。平安北道のある情報筋は語る。

「平安北道など北部地方は、それほどひどくない。充分ではないが、雨も降ったのでジャガイモとトウモロコシの収穫は昨年と変わらないだろう」

稲作地帯の黄海道(ファンヘド)や江原道(カンウォンド)では「干ばつの被害がひどい」という声もあるが、中国の対北朝鮮情報筋は「黄海道は、これから梅雨に入るので干ばつはある程度解消するだろう」と話す。

では、なぜ北朝鮮メディアは「干ばつだ!」と主張しているのだろうか。中国の対北朝鮮情報筋は次のように指摘した。

「干ばつによる農業被害を大袈裟に言って、国連や国際社会から食糧支援を引き出そうとしている」

北朝鮮は、昨年のこの時期も「深刻な干ばつ」と主張していたが、いざ収穫時期になってみれば、穀物価格に大きな変動はなかった。デイリーNKジャパンの内部情報筋からも「北朝鮮南部はわからないが、北部は大きな被害はなさそうだ」という声が伝えられている。

干ばつについては、もうしばらく慎重に見極める必要がありそうだ。

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