あまりにも無茶な指示に指揮官は、自ら山菜採りに行くことを放棄し、一般の兵士に丸投げした。上納された山菜は、倉庫に保管し、後に兵士たちのおかずとして供給されるが、兵士たちからすれば、各部隊が個別で展開した方が「山菜採り闘争」はスムーズにできる。
わざわざ、余計なことを増やす指示を出す裏には、「朝鮮人民軍は、自ら山菜採り闘争を展開し、自力更生の精神を貫いている。これは目覚ましい成果だ」と上層部、金正恩氏に報告する意図があるようだ。つまり、上官の功名争いに一般兵士が割を食らっている。
一方、国境警備隊は他の一般部隊に比べて少し恵まれている。国境警備隊に供給される食糧はトウモロコシ6割、コメ4割だったが、金正恩氏の特別指示でコメ8割、トウモロコシ2割にグレードアップされた。
金正恩氏の温情のように見られるが、これも「アメとムチ」に過ぎない。国境兵士は困窮の末、密輸を幇助したり北朝鮮国内だけではなく、時には川を越えて中国側で略奪行為を働いている。治安の乱れを防ぐために待遇を少し良くしたようだ。