これは、2013年に、部下7人とともに脱北し、韓国にたどり着いた朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の元中隊長の証言だ。もともと朝鮮人民軍兵士は、「田植え戦闘」や建設現場支援などの任務に動員されるケースが多い。
兵士たちは、軍隊という閉鎖的な組織にいるため、市場活動に参加できず、食糧事情は悪化する一方だ。一般の部隊には、小麦やトウモロコシしか供給されず、おかずなどは兵士たち自らが採ってきた山菜だという。
それにもかかわらず、人民武力部はすべての兵士と指揮官に次のような指示を下した。
「乾燥山菜を1人あたり10キロ上納せよ」