平安南道では、数百ものの会社が中朝貿易で外貨を稼いでいるが、富と人脈を得た会社社長たちは、都市周辺の農村にゆったりとした高級住宅を建てている。
北朝鮮の農村といえば、貧しいというイメージがあるが、トンジュたちが、農村に住むメリットは広い土地以外にもあった。
農村では、都市と比べて保衛部の監視が緩く、富の蓄積に対する周辺住民の視線や不安感も解消できる。さらに資産としても利用できる。商売で損失が出た場合、いざとなれば住宅を売り払って現金化する。こうしたメリットがあることから、農村に土地を持とうとするトンジュが増えている。まさに、「不動産ブーム」だ。
ただし、賄賂を使って土地を購入するトンジュたちを、農村の人々は冷ややかな目で見ているという。