北朝鮮では「田植え戦闘」がはじまり、「農村支援総動員期間」に入っているが、一部を除いて軍人が大量動員されるという異例の「田植え戦闘」が展開されているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

平安南道南浦市江西区域にある青山協同農場での「田植え戦闘」(画像:朝鮮中央テレビキャプチャー)
平安南道南浦市江西区域にある青山協同農場での「田植え戦闘」(画像:朝鮮中央テレビキャプチャー)

田植え戦闘では「農業にすべての力量を総動員、総集中させよう」というスローガンが唱えられ、全国の中学生、主婦、労働者に至るまでありとあらゆる階層の人々が総動員される。

軍人も動員されるが、今年に限っては、ほぼすべての軍人が大量動員されている。免除されるのは空軍の飛行部隊、海軍の艦船部隊、国境警備隊、前線地域の民警部隊だ。

射撃、軽歩兵部隊など特殊兵種部隊は毎週2~3回、近隣の農場に行って田植えなどを手伝うようにとの指示が出されている。6月20日からは夏季訓練が予定されているので、田植えだけを終えたらすぐに部隊に復帰するようだ。

ここまで大量動員されるのは、今年が初めてだという。背景には、穀物生産を増大させて10月の労働党創建70周年記念行事を大々的に行おうとする意図が見られる。

動員された軍人たちは軍事的な緊急事態に備えて、部隊から比較的近い農場に投入されているが、地方幹部たちは、「この有り様では緊急時に対応できないのでは?」と心配しているという。

別の情報筋は「軍人を大量に田植えに動員しているのを見ると、当局の言う『敵の軍事的挑発が絶えない』というのは嘘だ」と当局のやり方を批判する住民の声を伝えた。また、「敵は農繁期には挑発しないらしいね」と「敵の挑発」と騒ぎ立てる当局のプロパガンダを皮肉る人もいると伝えた。

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