北朝鮮では「田植え戦闘」開始に伴い、全国の住民が「農村支援戦闘」に動員される。動員に悪影響を及ぼすとして市場の営業時間が短縮され、コメ価格の上昇が心配されていたが、さほど上がってはいないと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

新義州市内
新義州市内

平安北道(ピョンアンブクト)の国境地域に住む住民によると、現在市場でのコメの価格は1.5キロで7000ウォン(約105円)。3月初め頃、新義州(シニジュ)の市場でコメ1.5キロが中国人民元で5.3元(7150ウォン、約107円)だったことを考えると価格にほぼ変動はない。

農村支援戦闘により貧困層は大きな打撃を受けることが心配されているが、市場で商売している人は数百ドル程度を貯金しておくため、打撃をさほど受けないとこの住民は語っている。

3月と11月には国土総動員機関と植樹運動、5月には農村動員があることがわかっているので、この時期に備えてあらかじめお金を貯めておくのだという。

しかし、貧困層で職業を持たない女性は農村動員により生活が困窮する。農村動員でクタクタになった体を引きずって市場に行って物を売らないと食べていけない。

コメの値段は上がっていないとのことだが、他の雑穀はどうなのだろうか。RFAはこの住民にトウモロコシの値段を聞いているが、ところが、新義州市内に住む人はトウモロコシ飯はあまり食べないので、トウモロコシの価格はよくわからないというのだ。

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都市住民の食卓から消えつつあるトウモロコシ飯

平安南道(ピョンアンナムド)の南浦(ナムポ)市に住む住民も、平壌近郊の南浦や平城(ピョンソン)の住民はトウモロコシなどの雑穀はあまり食べないと語っている。

トウモロコシは食糧難に苦しむ北朝鮮の住民の栄養源となっていた。90年代後半の「苦難の行軍」の頃は幹部ですらトウモロコシ飯でしのいでいた。庶民たちはそれすら手に入らず多くの人が餓死した。

2010年1月9日の労働新聞は、「首領様(金日成氏)は、人民が白米を食べて肉のスープを飲み、絹の服を着て瓦屋根の家に住めるようにしなければならないとおっしゃったが、我々はこの遺訓を貫徹できずにいる」との金正日氏の発言を伝えている。

また、同年2月1日の労働新聞でも「未だに我が人民たちがトウモロコシ飯を食べていることが最も胸が痛い」との金正日氏の発言を伝えている。

そんな金正日氏の思いを実現させたのは、金ファミリーでも労働党でもなく、北朝鮮庶民たちが作りだした「草の根資本主義」だ。

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