「元帥様の指示もカネ次第」と言われるほど拝金主義のはびこる北朝鮮で、ついに「品行方正」さえもカネで買える時代になったと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

経済特区の羅先市に最近立てられた金日成氏、金正日氏の銅像
経済特区の羅先市に最近立てられた金日成氏、金正日氏の銅像

北朝鮮では13日、14日と「全国青年美風先駆者大会」が開催された。共産主義道徳に則った「美しい行為」、いわゆる「品行方正」の住民を表彰する大会で、93年12月に行われた「全国共産主義美風先駆者大会」を皮切りに時々開かれている。

これまでの表彰者の例を挙げると、平安南道(ピョンアンナムド)放送委員会のチョン・チュンギルさん夫婦は、「栄誉軍人」と呼ばれる傷痍軍人たちに結婚を斡旋し、結婚式を準備して、実の子どものように世話をしている。また、国際物産振興会社のチャン・ジンスさんは平壌南浦間高速道路の建設を物心両面から積極的に支援した。

受賞者の美談は「ありがたき乙女」「私たち新世代」「永遠なる瞬間」「兵士たちを愛せよ」などの映画にもなっている。

しかし、今回の大会の「表彰者」が金日成氏、金正日氏の銅像建設への献金額で決まることが明らかにり、住民たちの怒りを買っている。

現場すら来ないヤツらが受賞されている

両江道(リャンガンド)の情報筋は語る。

「今回の「全国青年美風先駆者大会」に両江道からも600人が参加したが、うち300人は幹部の子息たちで、残りの300人はトンジュ(金主)やその子供たち。『美風先駆者大会』どころか単なる『金持ち大会』だ」

チュ・ギルリョ、ソン・ヨンヒなど両江道でも屈指のトンジュたちは、恵山(ヘサン)市内に建設中の金日成氏、金正日氏の銅像の建設費として、数千万ウォン(1千万ウォンは約15万円、コメ2.5トン相当額)を捧げたという。

「昼夜問わず、銅像建設現場で汗を流した住民は大会に参加できず、現場に来ずカネを差し出しただけの奴らが大会に参加するなんて・・・」(両江道の情報筋)

慈江道(チャガンド)の情報筋によると、特に貧しい住民たちは落胆していると伝える。

「銅像建設の献金額で大会参加者が決められたことを知った住民たち『カネのないやつは人間扱いされない』と金正恩政権が公式に宣言したのも同じ」

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