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例えば、トンジュ(金主)や幹部たちは、医師の面前で札束を積んで虚偽の診断書を作らせ娘の兵役免除を勝ち取る。また、大学への推薦を得て兵役を逃れるために学校関係者に賄賂を渡す手法も横行している。

軍事動員部の徴兵担当者は担当地域を回り兵役対象者の親から「入隊保証書」を取りながら「兵役逃れ」を防ごうとしているが、できるのはその程度。むしろ、この機会を利用して一儲けしようとする徴兵担当者もいる。親たちが兵役逃れのために地域の保安員(警察官)に渡した賄賂を保安員と徴兵担当者で山分けする仕組みだ。

賄賂と拝金主義が横行する北朝鮮

娘の兵役を免除させるほどの賄賂はなくても、少しでも条件のいい部隊に配属してもらえるように賄賂を渡す親も多い。

「ある女性は、江原道(カンウォンド)の山奥の部隊に配属されることになったが、他の地域へ希望した。気候や食糧事情の厳しい地域だったからだ。すると軍事動員部は、中国人民元で1500元(約2万8000円、コメ400キロ相当)を要求。その通りにすると平壌近郊の楽な部隊への配属となった」(情報筋)