プエブロ号の女性ガイド ©Roman Harak
プエブロ号の女性ガイド ©Roman Harak (本文とは関係ありません)
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北朝鮮では高校を卒業したすべての女性に兵役義務を化す方針が示されている。今までは女性は志願制だったが、今後は満23歳まで兵役を務めることになった。

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兵役逃れ防止、念書に連帯保証人まで

親たちは娘を軍隊に送るまいと様々な手をつくしているが、当局は「入隊保証書」(念書)を取るなどして「兵役逃れ」の取締に躍起になっている。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋は「娘を軍隊に行かせまいと兵役逃れに乗り出した親たちが増えたので、道の軍事動員部は軍の招募軍官(兵役招集担当の将校)を各地に派遣して親に『入隊保証書』を書かせている」と語った。

この入隊保証書には中学、高校の卒業を控えた女子生徒に身体的な障碍(しょうがい)や病気の有無、経済的な事情の有無などが書き込まれている。

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軍当局は入隊保証書を取り付けた後に、人民班の班長、担任教師、洞や里担当の保衛部員など関係者4人を保証人にさせて彼らの署名まで取り付けるので相当な圧力として働くとのことだ。

導入初期でオチオチと賄賂を受け取れない連帯保証人

入隊保証書に偽りの記載があった場合には、保証人の責任が問われる。このような政策は不徹底や贈収賄によって骨抜きにされるのがいつものパターンだが、今回の入隊保証書制度はまだ始まったばかりで党の方針でもあるので、保証人も慎重に動かざるをえない。

4人の保証人を抱き込むのは相当に大変で、娘の兵役逃れをしようとする親たちも苦労している。それだけの賄賂が必要になるからだ。

電力難で病院での徴兵検査困難

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内部情報筋によると「入隊保証書」制度は最近の北朝鮮の電力難とも関係している。病院での徴兵検査にはレントゲン検査が含まれているが、発電機の燃料になるディーゼル油の負担が大きいため、入隊保証書が徴兵検査の代わりになっているとのことだ。