鼻をかんで捨てても間に合わない

京都府警などの合同捜査本部が12日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)議長の次男らの外国為替・外国貿易法違反容疑での逮捕に踏み切った北朝鮮産マツタケの不正輸入事件で、府警が昨年5月に朝鮮総連の関係先を捜索した際、「金正日将軍様の意向」「朝鮮労働党」などと書かれた文書や許宗萬議長の名前が記された文書を押収していたと、読売新聞と朝日新聞が報じた。

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両紙によれば、府警などが捜索したのは、朝鮮総連傘下の食品商社「朝鮮特産物販売」(東京都台東区)や、社員である議長次男宅など関係先十数カ所。

押収された文書は大半がハングル表記で、「数か月かけて翻訳・解析した結果を見て、捜査員らは息をのんだ」(読売新聞)という。

しかし、個人宅や法人事務所を含め、朝鮮総連の関係先にはそうした文書が大量に存在する。機関紙の朝鮮新報(ハングル・日本語)には毎号のように記載されているし、会議などでも決まり文句のように唱えられる。

「あまりに量が多すぎて、職場の人間全員が毎日鼻をかんで捨てても追いつかないほど。むしろ、そんなことも知らずに捜査や取材に当たっているのかと、報道を見てこちらが息をのんだくらいだ」(朝鮮総連OB)

果たして、押収された文書の中には、今回事件になったマツタケ不正輸入が金正日総書記や朝鮮労働党の直接の指示によるものであることを示唆する文書が、あったのか、無かったのか。

無かったのなら、このようなリークには府警の「手柄」を持ち上げる効果はあっても、北朝鮮に対しては何らの作用も及ぼさない。むしろ嘲笑を誘うだけだ。

北朝鮮産マツタケが不正輸入された事実があるなら粛々と捜査を進めれば良いのであって、いたずらに「意義」を強調する必要はない。北朝鮮がまったく痛痒を感じない件をもって身内で大騒ぎすれば、むしろ北朝鮮側に、日朝交渉での「ゴネ得カード」を渡す結果になりかねないだろう。

(ジャーナリスト 李策)

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