北朝鮮当局が、ビジネス目的で入国する中国の貿易業者をはじめ、外国人に対して入国ビザの発給を厳しくするなど、規制を強化しているが、最近では携帯電話の使用にも厳しい制限を課している。

中国丹東にある北朝鮮向け携帯電話専門店
中国丹東にある北朝鮮向け携帯電話専門店

中国の対北朝鮮情報筋によると、北朝鮮当局は中国の貿易業者に対して携帯電話の使用を事実上禁止する措置を下した。しかし、全面禁止ではなく、指定場所以外での通話禁止だ。

ホテルの部屋では制限はないが、ロビーや廊下などでは使用禁止だという。つまり、盗聴可能な部屋の通話は制限なく、盗聴不可能な場所では禁止という理由がある。

また、見学先の工場では制限なしで、移動中の通話は禁止とのこと。ただし、禁止されなくても監視する保衛部の職員がついて回るので気になって使えない状態だ。

ある中国朝鮮族の貿易業者は、指定場所以外で通話したことが、発覚。いきなり保衛部の要員に携帯電話を取り上げられ、その場で調書を取られ罰金3000元(約5万8000円)を払わされた。

貿易業者「最初から持ち込み禁止にすればいいのに…」

北朝鮮当局の措置は、「どこでも通話が出来る」という携帯電話のメリットをまったく無意味にしているが、韓国人スパイ事件が起こるなど、国内外の情報流出入に過敏になっっているようだ。

こうした措置に対して、中国の貿易業者からは「最初から携帯電話を持込禁止にすればいいだろう」と不満の声が上がっている。また、「今更、情報が出入りすることに躍起になってもしょうがないだろう」という声もある。

北朝鮮では、2012年まで国外からの携帯電話持ち込みは、使用するしないに関わらず、全面禁止だった。

入国時の税関で「携帯電話の所有」を申告すると、ビニール袋に入れられて再度国外に出るまで封印されていた。

しかし、外国人観光客から不満が高まり、2013年からは持ち込みは可能になった。しかし、国際ローミングが一切使えないため、特別な事情を除いて通話機能もネットも一切使えない。

今回、使用が禁止されたのは、北朝鮮国内でのみ使える携帯機種と思われる。