北朝鮮の金正恩氏が、今月9日にロシアで開催される対独戦勝70周年記念式典へ欠席することになった。欠席の理由について、ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、「北朝鮮の内部問題」によるものだと語った。

参考写真:育児園を現地指導する金正恩氏
参考写真:育児園を現地指導する金正恩氏

?韓国の国家情報院の最近の報告によると、2015年に入って金正恩氏が高級幹部15人を処刑した。不安定な北朝鮮内部を引き締めるために恐怖政治を強化している北朝鮮が、「最高指導者の長期間不在はリスクがある」と判断したという見方がある。

いずれにせよ、土壇場のキャンセルはロシアに対する外交的欠礼となり今後の朝ロ関係に傷跡として残されかねない。それにもかかわらず、北朝鮮が訪ロを取りやめた理由はなんだろうか。デイリーNKは3人の識者に「金正恩氏が訪ロを取りやめた」理由について聞いたみた。

(1)チョン・ヒョンジン北東アジア平和協力研究長

金正恩氏は、まともな首脳会談をやろうと要求したが、プーチン大統領は、国際的な核問題や人権問題などの理由を挙げて難しいと返答したことから、会談をしても大幅な経済支援は引き出せないと判断した。

今後は、プーチン大統領との会談や中国の戦勝記念式典で、習近平国家主席との会談を考慮しているようだが、かなり困難になった。国際政治の流れから、中露が北朝鮮の肩を持つのは難しいだろう。

(2)チョ・ボンヒョンIBK経済研究所首席研究委員

式典には複数国の首脳が集まる。金正恩氏は外交経験がゼロであり、笑いものになりかねないと判断したようだ。プーチン大統領だけでなく、他国の首脳とも会談を行いたかったが、中心的存在にはなれず、単なる「お飾り」になることを嫌った。

さらに、経済支援を取り付けたとしても、それに対する「返礼」を用意する自信がなかったのかもしれない。また、警護問題などもクリアできていないと判断した可能性もある。

(3)オ・ギョンソプ世宗研究所研究委員

ロシア訪問キャンセルの最大の理由は、心理的負担とキュリティ上の問題が挙げられる。まず、ロシアが先走って金正恩氏の訪問を発表したため、心理的に負担になった。さらに、北朝鮮内部でセキュリティ上の問題を憂慮した可能性が高い。

「最高尊厳」の安全が何よりも大切であることから、金正恩氏直属の警護チームや保衛部が、過剰な忠誠心競争を行ったために訪問が取り止めになった可能性もある。