北朝鮮の貧窮の象徴であり、飢えや病気のために行き倒れてそのまま死ぬことも少なくない浮浪児「コチェビ」。しかしいまや、彼らの生態にも変化が起きている。

生きるために手を染める強盗手段が、ますます大胆になりつつあるのだ。最近では徒党を組んでトラックの部品を盗んで売り払うなどしている。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK情報筋は、次のように語った。

「コチェビたちは、かつては市場や駅前で物乞いをしつつ暮らしていたが、最近は組織的に盗みを働く。さらに、盗品を売り飛ばす販路まで構築している」

トラックにへばりつき

情報筋によると、彼らは5~6人のグループで、毎日、計画を立てて盗みを働く。

そして、北朝鮮経済の資本主義化の象徴である「ソビ車」と呼ばれるモグリの営業車の部品を盗んだり、20トンの大型トラックが坂道でスピードを落とした時に車体の横にへばりついて、バッテリーのカバーを盗む。盗んだカバーは15ドルで売り、買い取った業者は市場で20ドルで売る。

そのあまりの大胆さに庶民は「特殊部隊もビックリ」「21世紀の少年パルチザン」などと言って驚いている。市場の商人も「コチェビという言葉も意味が変わった」と言って、彼らのたくましさに呆れ半分、安心が半分の笑顔を浮かべているという。

親と盗みを働くケースも

一方、お年寄りたちは「盗みをやりたくてやってるんじゃない。時代が生んだ『金正恩少年パルチザン』だ。朝鮮式社会主義の未来はマフィア式社会主義になりそうだ」と同情を示しつつも嘆いている。

彼らの中には両親が死亡して孤児になった者、両親の離婚で国が運営する放浪者宿所に放り込まれて逃げ出した者、家庭が貧しくて昼には学校に通い、夜には盗みを働く者などもおり、同じコチェビでもその背景は様々だ。

中には両親とともに盗みを働く者もいる。親は市場での商売に必要な種銭を稼いできてくれる子どもたちに、説教らしいことを何も言えないという。

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