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では、こうした教育は「反日」ではないのかと問われれば、やはり答は否、である。マジョリティに対して多少の反骨精神を持つことは、世界の多くの国のマイノリティが実践している、「チャンス獲得」のためのノウハウに過ぎない。

学歴がまったく同水準のふたりの若者――在日朝鮮人と日本人が同じ会社に就職し、そこでの仕事ぶりや人柄に対する評価もまったく同程度だと仮定しよう。どちらか一方を先に出世させるとしたら、日本人の上司は日本人の部下を選ぶ可能性が高い。

こういう境遇に置かれたとき、「日本人に負けるな」という教育を受けた者ならば、上司の判断を「差別」と見て恨む前に、自らの努力不足を悔いるだろう。ライバルの日本人と同水準の実力しかないということは、在日朝鮮人にとっては負けを意味するからだ。