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当局の担当者も「やっちゃった感」があったようだ。元軍人たちの怒りを恐れたのか、あらかじめ家を建ててすぐに住めるようにした。さらにジャガイモの1年分の収穫、布団、キッチン用品などの家財道具一式も揃えるなど格別配慮をした。

しかし、除隊までした当の元軍人たちの怒りは収まらない。当局は、「党の求めに応じるのが軍人の勤め」「ここが党の指示を貫徹するための戦場だ」などと言いくるめたが、軍人たちは「バカにするな!」と逆に怒りに火をつけるハメになった。

北朝鮮の一般庶民にとって海外に行くことは宇宙旅行並みに難しい。軍人たちは、「大豆畑の仕事はかなりキツいがそれでも海外に行けるんだったら」と期待に胸を膨らませていた。

兵役生活で長年帰っていない故郷にも戻らずに海外行きの準備をしていた軍人もいれば、当局の「騙し文句」によって家庭不和、さらには自殺まで引き起こしている。

夢の平壌から山奥へ 悲観して自殺する人も

「俺、海外に行くんだ。だから、その前に結婚してくれないか?」