そんな言葉を落とし文句にプロポーズ、結婚にこぎつけた軍人たちもいる。ところが海外に行くはずが配置されたのは国内、それも山奥の農場と来たもんだから、あちこちで離婚騒ぎになっているという。
北朝鮮では、都市と農村は、別世界と言っていいほど格差がある。平壌や他の大都市に暮らしていた人が、自ら望んで農村に行くということは、あり得ない。
結婚した夫婦のなかには、夫について農村に来たものの、「もうこんな生活いやっ!」などと言い出し夫婦喧嘩も絶えないという。
平壌で教師をやっていたある女性は夫と見合い結婚をした。当初は、夫が海外に行くと喜んでいたが、その話が無くなり、自分が農場で暮らすことになった。
しかし、農村生活に馴染めず、夫に離婚を申し出したが拒否。人生に絶望してイソニアジド(結核薬)を数十粒飲んで自殺してしまったという。