今まで外国人観光客が訪れることがなかった海州(ヘジュ)市にも外国人向けホテルが建てられた。@David Stanley
北朝鮮の地方都市のホテル。(本文とは関係ありません)@David Stanley

北朝鮮で売春業にも国家が進める「5.30措置」が導入?

北朝鮮当局は、昨年から経済の自由度を高めるために「5.30措置」という経済施策を実施している。これは企業や農場が成果の6割を取り分にして、残りの4割を国家に納めるという施策だ。

ところが、なぜか住民の間で「売春業にも5.30措置が導入?」という奇妙なジョークが飛ばされていると米政府系のラジオ・フリー・アジアが伝えた。

「売淫罪」は強制労働

RFAによると北朝鮮で「花遊び(???:コンノリ)」と言われる売春は、生きるための手段、商売の一つに過ぎないという認識されている。現在、若い女性の場合は、人民元で70元(約1360円)が相場だという。

売春は、北朝鮮では違法である。刑法249条「売淫罪」では「売淫行為を行った者は1年以下の労働鍛錬刑に処す。前項の罪状が重い者には5年以下の労働教化刑に処す」としている。また、刑法250条「淫乱な行為罪」でも処罰対象となりうる。

2013年頃からは、家族を養うための「生計型売春」も増加しているが、ここに来て北朝鮮当局も取り締まりを強化しはじめた。

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この一環で、売春の場所を提供する個人宿泊所に対する取り締まりも強化。咸鏡北道の内部情報筋によると、2月27日にこの指示が下され、摘発されると60万ウォンの罰金に加えて家も没収されるとのことだ。

これが、新たな軋轢を生み出している。

北朝鮮の風俗業界に詳しい両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、売春婦だけでなく場所を提供した宿泊所まで摘発されることから、宿泊業者と売春婦との間で対立が生じているという。

取り締まり強化によって宿泊所と女性の取り分に変化

個人宿泊所での売春は、客が払う総額を7:3の割合で女性と宿泊所でわけるのが通例だった。

しかし、取り締まり強化に伴って宿泊所側のリスクが高まったことで、「6:4」の割合になり、女性の取り分が減ってしまった。

この「6:4の取り分」が、冒頭の「5.30措置」の割合と同じ事から、「売春にも5.30措置が導入」というジョークに繋がった。

とはいえ、実際に売春で生計を立てている女性や個人宿泊所からすれば、こんなジョークを飛ばす余裕もないだろう。

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