肖像画の入った金正日選集の表紙
肖像画の入った金正日選集の表紙

過激な反日行動や反北朝鮮行動で知られる韓国のオボイ連合や枯葉剤戦友会などの極右団体は10日、ソウルで開いたリッパート駐韓米国大使襲撃事件を非難する集会で金正日氏の人形を角材で叩くパフォーマンスを行った。

これに対して北朝鮮の労働新聞は「特大型犯罪の代償を血で償うべき」と題した記事で「最高尊厳」を冒涜したと「オボイ連合」「枯葉剤戦友会」を名指しで批判した。

しかし、北朝鮮でかつては神聖なものだった金日成氏や金正恩氏の肖像画も、今や煮炊きの燃料に使われるなど「最高尊厳」の尊厳は下がり続けている。

「最高尊厳」も今や煮炊きの燃料やトイレットペーパー

平安北道(ピョンアンブクト)の内部情報筋はラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して「我々にとって最高尊厳は『カネ』だ。金日成、金正日を最高尊厳として崇めていたのは苦難の行軍以前のこと」と言い切った。

かつては、どの家庭にもあった金日成氏と金正日氏の肖像画の入った本(労作)、金日成氏の回顧録「世紀とともに」も今では見かけなくなり、かなり前からトイレットペーパーや燃料として使われるようになったと内部情報筋は語った。

金日成氏、金正日氏の肖像が入った印刷物を汚したり破いたりでもしたら厳罰に処せられる。しかし、煮炊きの時に本を丸ごと燃やしてしまえば証拠が残らないので処罰されることもない。

金日成バッジも「乳首」呼ばわり 価格破壊も進む

北朝鮮の人なら必ず胸に付けなければならない金日成氏と金正日氏のバッジだが、まるで女性の乳首(チョッコクチ)みたいだからという理由で「コクチ」と呼ばれるようになっていると内部情報筋は伝える。

最近作られた金日成氏と金正日氏の顔が入った「双像」(サンサン)バッジは市場で5000ウォン(約75円)、つまりコメ1キロ分の値段で取引されている。少し前までは現金の代わりに使われてそれなりの値段で取引されていた双像だが、最高尊厳も価格破壊が進んだようだ。

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労働党証は「メンコ」

慈江道(チャガンド)の国境警備隊員は、最高尊厳を崇拝する証の一つである朝鮮労働党の党証は軍人たちの間で「メンコ」(タクチ)と呼ばれており、「メンコ取った?」と言うと「労働党に入党したのか?」という意味になる。これは女性軍人が労働党幹部に体を捧げた代償に労働党に入党することを皮肉る意味が込められているとのことだ。

また「70ウォン」とも呼ばれるが、これは売春の料金が人民元で70元(約1360円)であることから来ている。

内部情報筋は「目の前でも最高尊厳がひどい扱いをされているというのに韓国にあーだこーだ言える立場にあるのか」と当局を批判した。

北朝鮮で着用が義務付けられているバッジの一例。
北朝鮮で着用が義務付けられているバッジの一例。