北朝鮮で着用が義務付けられているバッジの一例。
北朝鮮で着用が義務付けられているバッジの一例。

持ち運びに便利で現金化できる「バッジ」が人気

北朝鮮の人々が胸につけている金日成氏、金正日氏のバッジは、売買が厳しく禁じられているが最近これがいざという時の現金代わりに使われていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が28日伝えている。

金正日氏死去後に新たに登場した「サンサン」(双像)または「キョプサン」と呼ばれる徽章バッジだ。金日成氏と金正日氏の顔が並んでいる高級幹部用のバッジ。

両江道(リャンガンド)の内部情報筋はRFAに対して次のように語る。

「北朝鮮の人々に着用が義務化されているバッジには10種類以上ある」

「市場で密かに取引されている『サンサン』は人民元で40元(約750円)もする」

「二人の顔が入ったバッジをつけることはステータスなので人気が高い」

この「サンサン」が与えられるのは上級幹部だけだ。それを買い求めるのは大学生や労働道、司法機関の下級幹部、お金持ちなどだ。

別の両江道の内部情報筋はRFAについて次のように語る。

「市場で『サンサン』は『秘密資金』という名前で取引されている」

「急にお金が必要になったら売ることもできる。実際にそのような用途で多く用いられている」

「ご禁制の品なので密かに取引されているが、市場に流れこむバッジが増えて当初の130元(約2450円)からはかなり値段が下がった」

現金代わりに使われる「バッジ」

情報筋は「サンサン」が現金代わりに使われている状況についても説明する。

「以前は覚せい剤1グラムを懐に忍ばせておいてお金が必要になったら換金していたが、最近は取締が厳しくて持ち歩けなくなった」

「でも、『サンサン』だったら問題ない。酒代やホテル代が足りないときに『サンサン』を出せば1個20元で計算してくれる」

北朝鮮ウォンの最高額紙幣は5000ウォン(約70円)。人民元100元(約1880円)をウォンに両替すると5000ウォン札26枚、1000ウォン札2枚となり財布がパンパンになってしまう。それでより便利な人民元や米ドルの使用が一般化しているが、現在一部地域では外貨使用を禁じる措置が取られている。

ステータスも感じられて持ち運びに便利、お金にもなる「サンサン」。さしずめ北朝鮮版「デビットカード」のような存在と言ったら言い過ぎだろうか。

【参考記事】
北市場、釣銭もドル・人民元使用
北朝鮮の一部地域で事実上の通貨「外貨」の使用が禁止

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