在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物を約22億円で落札した不動産関連会社のマルナカホールディングス(高松市)から、山形県酒田市の不動産会社グリーンフォーリストが44億円で購入した問題で、中国籍の女性が10億円の購入資金を提供していた事実が浮上している。その一方、購入資金のうち30億円近い部分について、公安当局が出所をまったく把握できていない実態もあるようだ。

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産経新聞は11日、政府関係者と日朝関係者からの情報として、総連本部ビルをめぐり「朝鮮系中国人女性が10億円の購入資金を提供していた」と報じた。

同紙によれば、女性は香港で海運会社に勤務しており、1月中旬に日本に入国。各地で朝鮮総連関係者らと会った後、1月下旬に資金をグリーンフォーリストに送金したという。

公安当局はこうした資金の流れについて、当事者が口座を持つ金融機関に情報を照会する方法で調査を行っているとされる。グリーンフォーリストの口座への入金記録を金融機関に提出させ、そこに浮かんだ個人や法人の口座について、資金の出入りをさかのぼって調べていく形だ。

突然現れた20億円

もっともこうしたやり方では、資金の出所の解明には限界があるとされる。経済事件に詳しいジャーナリストは次のように話す。

「国内の金融機関は公安当局などに対して従順なので、口座情報は容易く入手できる。しかし、海外ではそうはいかない。犯罪に関与したとの明確な証拠でもない限り、情報照会に応じない金融機関も多い。

産経が報じた香港在住の女性が送金した資金も、本人が蓄えたものなのか、あるいは第三者のダミーとして送金窓口の役割を担っただけなのか、確認するのは容易でない。実際、グリーンフォーリストには総連の関連先と見られる白山出版会館管理会が30億円以上の送金を行っているようだが、そのうち20億円近い部分については同管理会への入金経路すらわかっていないらしい」

また、こうした資金動向の全容を解明するためには、「公安当局が刑事事件化に向けて家宅捜索を行い、関連する資料を押収するしかない」という。

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しかし、現状では総連本部ビルの取引をめぐり違法性は浮上しておらず、公安当局が強制捜査に乗り出す可能性は低いと見られる。

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