北朝鮮の農家(本文とは関係ありません) ©EC DG ECHO
北朝鮮の農家(本文とは関係ありません) ©EC DG ECHO

北朝鮮で、富裕層に属する幹部やトンジュ(金主)の家から発生する残飯が「売れ筋商品」として脚光を浴びている。苦難の行軍以降、食堂の残飯が売り買いされるようになったが、最近では富裕層の残飯が豚の高級飼料として高価で取引されているのだ。

富裕層の残飯は4~6倍の高値で取引

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は次のように伝えた。

「多くの人々が家で豚を飼っているが、個人の家の残飯が売りに出されるようになったのは今年のこと。元々残飯は豚の餌用に無料で近所の人にあげて、豚が売れたらお礼の食事に招待されていた。しかし、今では残飯の質に応じて現金で取引するようになった」

「庶民の残飯は栄養価がないのでバケツ1杯500ウォン(約7円)だが、幹部や金主の残飯はコメ、魚、肉が入っているので2000ウォン(約28円)もする。金正日氏の誕生日と旧正月の連休後は3000ウォン(約42円)に値上がりした」

内部情報筋によると、北朝鮮では農村でも都会でも生計のために豚を飼育している。

一般的には8~9ヶ月育てて市場に売りに出す。豚には酒粕、おから、トウモロコシの粉、人糞などが餌さとして与えられるが、残飯を与えると早く育つので人気があるそうだ。

「残飯は酒粕より高価だが、豚の発育が早まり病気にもならないので効率がよくなる。さらに肉の味もよくなるので市場でも高値で売れる」

残飯の中身で不正行為がバレる

ところが「高級残飯」は誰彼なく売ってくれるわけではない、と内部情報筋は語る。中身に高価なものが多すぎると収賄などの不正行為を疑われかねないからだ。

情報筋は「幹部や金主の家の残飯を買いたいという人は増えているが、残飯の中身で不正の度合いがバレてしまい捜査の証拠になるので信頼できる人にしか売ってくれない」と話した。

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