2014年、西アフリカで大流行したエボラ出血熱。世界保健機関(WHO)によると2万2942人が感染し、9209人が死亡した。

しかしWHOは今年に入り、流行は落ち着き「終息を目指す新たな段階に入った」との見方を示している。米国疾病予防管理センター(CDC)も同様の見解を示していて、リベリア、シエラレオネ、ギニアに対してのみ不要不急の渡航を控えるように促している。日本、韓国、英国、豪州なども同様の勧告を出しているが、いずれも上記の3カ国に限られたものだ。

北朝鮮もエボラウイルスの国内流入を防ぐため、外国人観光客の入国禁止と帰国した自国民や中国商人を21日間強制隔離する措置を取っている。しかし、いまに至っても措置を解除するどころかむしろ強化しており、国内外から顰蹙を買っている。また、防疫体制はいくら強化しても穴だらけだ。

エボラ統制で貿易縮小、外資誘致も困難に

平安北道(ピョンアンブクト)の内部情報筋は米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して語った。

「エボラウイルスの流入を防ぐために北朝鮮に入国した人は21日間強制的に隔離されるが、すぐにでも措置を解かなければ中朝貿易が縮小し、経済特区への外国の投資が難しくなる」

「近日中に強制隔離措置が解かれるという情報を関連部署の幹部から直接聞いた」

一方で北朝鮮政府は国境沿いの都市に「中央衛生貿易検閲団」を派遣したと、この内部情報筋は伝えた。検閲団は中朝国境の最大都市の新義州(シニジュ)に到着し、隔離施設や防疫施設、患者発生時の治療施設などを視察したという。

賄賂を渡せば隔離施設からすぐに出られる

しかし、咸鏡北道の別の内部情報筋は北朝鮮の防疫システムが穴だらけであることを暴露した。

「隔離されても賄賂さえ渡せばすぐに出られる。隔離施設の環境が劣悪なので誰も留まろうとせず賄賂を渡してすぐに出てしまう」

さほど意味があるとは思えないエボラウイルス対策のせいで、4月11日に平壌で予定されていたテコンドー創設60周年記念式典と8月24日に予定されていた第19回テコンドー世界選手権大会が中止になってしまった。また、4月12日に予定されている平壌国際マラソンの開催も危ぶまれている状況だ。

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