北朝鮮大使館「韓国人には臨機応変に対応せよ」

北朝鮮の様々な企業、団体が利用している中国瀋陽の七宝山(チルボサン)ホテル(画像:ホテル提供)
北朝鮮の様々な企業、団体が利用している中国瀋陽の七宝山(チルボサン)ホテル(画像:ホテル提供)

海外においても韓国人との接触が厳しく禁じられている北朝鮮の人々。接触した事実がバレたら厳しい処分を受ける、というのが今までの通例だった。

ところが最近、北朝鮮当局から「韓国人には臨機応変に対応せよ」との指示が下された。しかし海外に駐在する北朝鮮の人々は、その意図を巡って戦々恐々としている。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、最近、駐中北朝鮮大使館から「韓国人に出会ってもわざわざ避けることはない。ペースに引きずり込まれないよう臨機応変に対応せよ」との指示が北朝鮮の貿易関係者たちに下されたという。

北朝鮮と取引のある中国商人はRFAに対して次のように語った。

「中国に駐在している北朝鮮の貿易関係者たちの多くは既に、ひそかに韓国の人たちと直接、間接の関わりあいを持っている」

「韓国人との接触は今までも黙認されていたが、今後は公に認め、ビジネスになりそうなら積極的に取り組めという意味だろう」

別の中国商人によれば、すでに中国においては、韓国企業が発注したものを北朝鮮で加工するビジネスが少なくない。それでも、中国企業が介在すれば北朝鮮当局はさほど問題視しておらず「むしろ貿易関係者たちに、もっと韓国から仕事を取ってこいと促しているようだ」という。

当惑する北朝鮮の貿易関係者

しかし、そんな指示を下された当人たちは当惑し、周りの目を気にしている。

「貿易関係者たちも指示の意味は理解しているようだが、韓国人と接触していることを公にする人は誰もいない。彼らはかつて対南事業に携わっていた多くの幹部がクビになったり、粛清されたりしたことをよく知っている。だからすぐには行動を変えたりはせず、状況を注意深く見守るだろう」(前出の中国商人)

昨年の11月には、急病のため保衛部の許可なく病院で手術を受けた瀋陽在住の20代北朝鮮女性が、病院で韓国やアメリカの宣教師と接触した可能性があるとして強制帰国させられている。

彼女を雇っていた中国人社長は「人の生死がかかった問題」だから規則を破ってもしょうがないと訴えたが、北朝鮮の保衛部員は「外部との接触は絶対NG、帰国させて死ぬべき」とまで言い放ったという。

【参考記事】外貨稼ぎ派遣女性が手術後に強制送還

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