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そうして建造され始めた韓国のチャムスリ級哨戒艇は、1999年の第1延坪海戦と2002年の第2延坪海戦で主役となった。第2延坪海戦では1隻が、北朝鮮の清津級警備艇に搭載された85ミリ戦車砲により撃沈されたが、韓国側の優勢は明らかだった。さらに2009年の大青海戦では、韓国側が圧倒的な状況下で、北朝鮮の警備艇1隻を撃退している。

2010年の哨戒艦「天安」撃沈は、これに対する報復として北朝鮮が強行したものだとされている。この作戦に投入されたのは1990年代に開発されたヨノ級潜水艇だと見られているが、さらに新型のテドンB型半潜水艇が同時に投入されたとの説もある。

これらの例を振り返ってみれば、海軍装備の更新が南北双方の戦略や戦術、そして「現場の空気」に影響を与え、それが武力衝突の連鎖につながっているのではないかと懸念せずにはいられない。

北朝鮮の誇示する新兵器が新たな連鎖を呼び起こし、さらに大規模なエスカレーションにつながることのないよう願うばかりだ。

(取材・文/ジャーナリスト 李策)

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