平壌駅のディーゼル機関車(本文とは関係ありません) ©Clay Gilliland
平壌駅のディーゼル機関車(本文とは関係ありません) ©Clay Gilliland

商人が貨物列車、貨物船をチャーターして商品輸送

北朝鮮では長年、荷物の運送は鉄道省が運営する列車が担ってきたが、電力難で貨物列車はまともに動かない。それに業を煮やした人々が北朝鮮の運送事情を変えつつある。

従来のソビチャ(関連記事参照)のトラックバスやバスに加えて、最近では個人が費用を払ってディーゼル機関車、モーターカーと呼ばれる小型の電車、小型船舶を運行するケースが増えている。

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江原道(カンウォンド)のデイリーNK内部情報筋は次のように伝えた。

「鉄道省と地方鉄道局にドルさえ払えばディーゼル機関車と有蓋貨車を貸してもらえるようになった。外貨稼ぎ会社も個人の商人も利用している」

「電力難で電気機関車はしょっちゅう止まるが、ディーゼル機関車ならディーゼル油さえ確保できればいつでも動かせる」

「元山(ウォンサン)から新義州(シニジュ)まで(約460キロ)電気機関車が引く貨物列車なら少なくとも1週間かかるが、ディーゼル機関車が引くものならたったの1日しかかからない」

個人も企業所も運送事業に乗り出す

内部情報筋によると、2002年の「7・1経済管理改善措置」以降、各工場や企業所に「ポリジョ」、直訳すると「稼ぎ組」ができた。当初はトラックやバスを貸し出しての輸送だったが、最近は鉄道局や水産事業所もこの流れに加わり貨物列車や船のチャーターまでできるようになった。

「道内だけで商売をしている商人は一般列車やモーターカーに荷物を載せて運ぶ。大規模なビジネスをしている商人は水産事業所所属の30?200馬力の船を借りて物資を運搬する」

「60トンの冷凍魚を陸路で輸送するには10トントラック6台が必要で、途中に検問所が多くそのたびに賄賂を渡さなければならないのでコストがかかるが、鉄道や船ならその必要がない」

「ディーゼル機関車と船は400キロで800?1000ドル(約9万3000?11万7000円)だ」

「お金を払って運行する列車は『命令列車』(鉄道局指令特殊列車)と呼ばれ、他の列車より優先的に運行される」(内部情報筋)

個人や企業が専用貨物列車を運行することは、他の国でもよくあることだ。しかし、公式には民間の大企業が存在しないことになっている北朝鮮で、独自に貨物列車を仕立てて運行するだけの財力を持った個人がいることは市場経済の発展度を示す指標となるだろう。

北朝鮮のソビチャ(トラックバス)
北朝鮮のソビチャ(トラックバス)