毎日、北朝鮮の労働新聞をチェックしているが、ここ最近は金正恩氏の空軍重視が目立つ(関連記事)。専門家からは、「政治的に必ずしも空軍だけを重視しているわけではない」との見方も教えてもらっているが、紙面からは金正恩氏の飛行機に対する執着ぶりがひしひしと伝わってくる。
その金正恩氏の「飛行機愛」を伝えた記事に対して、HONZ代表の成毛眞氏から、ツイッターとフェイスブックを通じて興味深い指摘をいただいた。
女性パイロットとミグ15、イリューシン62と赤絨毯。それぞれの初飛行は1947年と1963年。ジョンウンぜんぜんダメじゃんと思われるかもしれないが、じつはB-747の初飛行は1969年、空自の主力戦闘機F-15のそれは1972年だ。案外、航空機ってクラシックカーの世界なのだ。(成毛眞氏のフェイスブックとツイッターより)
なるほど、こうした見方もあるのかと思いつつ北朝鮮の飛行機や戦闘機について調べるなか、我がデイリーNKジャパンのスタッフが貴重な動画を発掘してくれた。
北朝鮮の映画に、トム・クルーズ主演の映画「トップガン」の音声をミックスさせたと思われるパロディ動画、その名も「トップガン・ノースコリアスタイル」。頻繁に空軍基地を訪れ、燃料の乏しさも気にせず正恩氏がやっているのは、この動画の「実演版」ではないのか。
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高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。