正恩氏のロシア訪問の移動手段は?

北朝鮮の金正恩氏の訪露が囁かれているが、その移動手段に関心が集まっている。(関連記事)

「隠遁の指導者」と呼ばれた父の金正日氏は、安全上の理由もあって飛行機を利用せず「列車へのコダワリ」を持っていた。一方、正恩氏は「飛行機愛」を持つと言われており、噂されている5月のロシア訪問が実現したら、飛行機で移動するのかもしれない。

「飛行機マニア」と評される正恩氏の「飛行機へのコダワリ」は、北朝鮮メディアからも伝わってくる。正恩氏の「飛行機愛」が垣間見える北朝鮮メディアの報道をいくつかピックアップしてみる。

昨年末、北朝鮮の朝鮮中央テレビは、正恩氏が飛行機のコクピットで操縦桿を握る映像を公開し、彼の「飛行機愛」を伝えた。

飛行機を操縦する金正恩氏
飛行機を操縦する金正恩氏

記録映画のなかで金正恩氏は次のように述べたという。

「いつも飛行兵たちと一緒に、飛行機に乗り祖国の青空を飛んでいたい気持ちだ」

昨年4月20日の労働新聞は、正恩氏が初開催の「第1次飛行士大会」に参加したことを伝えている。

朝鮮人民軍第1次飛行士大会に参加する金正恩氏
朝鮮人民軍第1次飛行士大会に参加する金正恩氏/2014年4月20日付労働新聞より

金正恩氏の「飛行機愛」は、軍部隊視察などでもかいま見える。5月10日には「戦闘飛行術競技大会」を開催されたが、高麗航空の飛行機で移動。飛行機から降りる時は、国家元首の外遊のように「歓迎式典」まで開催し、これが正恩氏の「専用機」ではないかと憶測を呼んでいる。

戦闘飛行術競技大会に視察する金正恩氏
戦闘飛行術競技大会を視察する金正恩氏/2014年5月10日付労働新聞より

正恩氏は、競技大会後に記念撮影を行った。

飛行士と記念撮影する金正恩氏
飛行士と記念撮影する金正恩氏/2014年5月10日付労働新聞より

10月には空軍を視察し、戦闘機に乗り込む様子が報道された。

空軍現地指導で戦闘機に乗る金正恩氏
空軍現地指導で戦闘機に乗る金正恩氏/2014年10月30日付労働新聞より

11月28日の労働新聞は空軍を視察した正恩氏が、北朝鮮初の女性追撃機飛行士をカメラで撮影する様子を伝えた。

北朝鮮初の女性追撃飛行士を撮影する金正恩氏
北朝鮮初の女性追撃飛行士を撮影する金正恩氏/2014年11月28日付労働新聞より

正恩氏の飛行機愛は、李雪主夫人に関係アリ?

正恩氏が飛行機にこだわるのは、李雪主夫人の父が空軍パイロットと言われていることとの関連性も指摘されている。

昨年11月1日の労働新聞は、正恩氏が平壌国際空港第2ターミナルを視察したことを報道。視察では「民族性が生かせていない」と指摘し「新世紀の要求に合わせて現代的に建設すること」を指示したと伝えた。この裏には「李雪主夫人の父が平壌空港で勤務しているから」という噂が北朝鮮の人々の間で出回っている。

平壌国際空港第2ターミナルを訪れた金正恩氏
平壌国際空港第2ターミナルを訪れた金正恩氏/2014年11月1日付労働新聞より

ちなみに、写真に移っている馬園春氏(左から3人目)は、この視察以後姿を見せておらず「粛清説」が囁かれている。(関連記事

2014年1月1日から2015年1月30日まで、金正恩氏は38回の軍視察を行ったが、21回が空軍関連だった。こうした正恩氏の「空軍重視は」は、朝鮮人民軍のバランスを崩す危険性があるとの見方もある。(関連記事

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空軍の訓練を視察する金正恩氏/2015年1月24日付労働新聞より

写真で見る限り、正恩氏は確かに「飛行機マニア」であり空軍重視のようだ。一方、正恩氏の空軍重視について北朝鮮軍事に詳しい聖学院大学の宮本悟教授は次のように語る。

「金正恩氏が特別に空軍を重視しているというより、もともと朝鮮人民軍(北朝鮮軍)のなかで、空軍は最も権威のある部隊だ。なぜなら、金日成氏が早く着手したのが空軍だからだ。空軍重視は、朝鮮人民軍の伝統ともいえる」

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