デイリーNKは2014年5月5日から8日間、特別取材チームによる中朝国境現地取材を敢行した。取材では中国遼寧省丹東や集安などの国境地域を訪れ、最新国境事情の取材のみならず私事旅行で訪中していた北朝鮮住民のインタビューにも成功。そのレポートを7回に渡って掲載する。

鴨緑江で渡河訓練を行う中国人民解放軍(画像:デイリーNK特別取材チーム)
鴨緑江で渡河訓練を行う中国人民解放軍(画像:デイリーNK特別取材チーム)

朝鮮半島有事の際に緊急出動任務を担っている中国人民解放軍瀋陽軍区傘下の39軍団が遼寧省丹東の鴨緑江、つまり中朝国境において渡河訓練をしている様子がデイリーNK特別取材チームのカメラに捉えられた。

39軍団所属の工兵隊100人はこの日丹東から鴨緑江の上流に向かって6キロ離れた馬市村で有事の際に兵力と装備の移動させるための浮き橋の設置訓練を実施した。北朝鮮の新義州威化島からわずか300メートルの場所だ。

39集団軍工兵隊の浮き橋設置訓練が行われている時、瀋陽軍区所属の辺防隊の兵士は鴨緑江に高速警備艇で警戒任務を行った。辺境隊は1350キロに及ぶ中朝国境の警備と治安を担っている。

中国軍の鴨緑江渡河訓練は昨年と一昨年にもメディアで報道されている。今回の訓練も毎年のものだと地元の住民は語っている。

別の丹東市民は「北朝鮮が2014年の3月末に『新しい形の核実験』について言及し4回目の核実験を準備する動きが捉えられているので、渡河訓練は北朝鮮へのメッセージかもしれない」と述べた。

別の丹東市民は「39軍団が朝鮮半島有事の際の任務を担っているのは確かだが、朝鮮情勢が緊迫しているから渡河訓練を行っていると見るには無理がある」「事態の急変に備えた訓練のようだ」と語った。

中国軍が発行する雑誌「解放軍画報」は5月の前半の最新号(895号)で先月行われた瀋陽軍区所属39軍団の訓練の様子を写真入りで詳しく伝えた。

中国7大軍区の1つである瀋陽軍区には朝鮮半島有事に対応する部隊があり、渡河訓練以外にも北朝鮮の事態急変や脱北者の大量流入などの際に即応できる訓練を強化していることがわかった。

瀋陽軍区の傘下には16、39、40の3つの軍団があり、兵力は約25万人だ。39軍団は朝鮮戦争にも参戦したことがあり、北朝鮮の張成沢が処刑された昨年12月にも3000人を動員して白頭山一帯で極寒期訓練を行った。

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