昨年4月の金正恩氏の金正淑紡績工場の現地指導に随行した馬園春氏(右端、画像:労働新聞)
昨年4月の金正恩氏の金正淑紡績工場の現地指導に随行した馬園春氏(右端、画像:労働新聞)

北朝鮮の最高級幹部の一人で国防委員会設計局長の馬園春(マ・ウォンチュン)氏が粛清されたのではないかという情報が伝えられた。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は26日、北朝鮮内部情報筋の証言を引用して「金正恩のそばにいつも付いていた馬園春中将が建設物施工に問題が生じた責任を取って昨年11月に辞任した」「昨年の辺仁善(ピョン・インソン)総参謀部作戦局長の粛清の頃に表舞台から姿を消した」と報道した。

デイリーNKジャパンが調べたところ、馬園春氏は金正恩氏の平壌国際空港第2ターミナル現地視察に同行したと報道された11月1日以降、公式メディアに姿を現していない。

もし馬園春氏が粛清されたとするなら、金正恩体制を支えていた大物幹部がまた一人姿を消したことになる。そもそも馬園春氏とはどんな人物なのか。

張成沢粛清を主導したグループの一人

馬園春氏は、金正恩体制で頭角を現した。白頭山建築研究院出身で金正恩氏が力を入れてきた「北朝鮮式ハコモノ行政」を支えてきた人物でもある。

馬氏は綾羅(ルンラ)遊園地、美林(ミリム)乗馬クラブ、馬息嶺(マシンリョン)スキー場などレジャー施設の設計、資材の調達、建設のすべてを総括していたとも言われている。

金正恩氏の現地指導には2013年に47回、2014年には39回随行し労働新聞の1面でも金正恩氏の側でメモを取る姿が頻繁に見られた。

さらに、彼は2013年の張成沢処刑の際に、主導的な役割を果たした「三池淵組」の一人でもあった。

馬園春氏の粛清説は、金正恩氏が足首の手術で40日間表舞台から姿を消した昨年9-10月にも韓国メディアで取り沙汰されがことがあった。しかし、10月26日の平壌愛育院、育児院の訪問時に姿を見せて粛清説を打ち消していた。

そして、11月1日の空港視察以後、姿を見せなくなった。RFAによると金正恩氏が空港の出来具合に不満で、設計責任者の馬氏が責任を取らされたのではないか推測する。

北朝鮮の大物幹部が一時的に姿を消して、また表舞台に復帰することは珍しくないが馬園春氏の消息に注目される。

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