直接的な原因は、北朝鮮の核・ミサイル開発にある。あるいは、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んだブッシュ政権の強硬姿勢が、北の暴走に拍車をかけたとの分析もあるだろう。
しかし根本的な原因は、核でもなければ米国の政策でもない。正解が何であるかは、北朝鮮とキューバの「違い」から知ることができる。
「核・ミサイル」放棄はカネしだいだが……
キューバ政府は、米国との国交正常化交渉入りに伴い約束していた政治犯53人全員の釈放を完了した。これを受け、米国務省のハーフ副報道官は12日の記者会見で、「非常に前向きな動きであり歓迎する」と述べた。
米国と国交を結ぶのに政治犯の釈放が必須であるなら、それは北朝鮮にはとうていムリな相談だ。何しろ、北朝鮮の政治犯収容所ではすでに万単位、あるいは十万単位の人々が凄惨な虐待の末に殺されている。そして今なお、同じくらいの数の人々が囚われ、虐待を受けている。