(2)の3国共通教科書に関しては、すでに2006年と2012年に日中韓共同編集による東アジア3国の近現代史教科書(日本版は「未来をひらく歴史」と「新しい東アジアの近現代史」上下)が3冊発行され、一定の成果を挙げている。――が、果たして、戦争加害国である日本と被害国である中国が、あるいは植民地宗主国だった日本と従属国であった韓国が歴史観を共有することなどできるのだろうか?
2日間にわたり、3国の専門家たちによる白熱の議論が続いた。
安倍晋三総理が「主役」
ホスト役中国側の主催は、中国社会科学院近代史研究所他の5機関。日本側協力機関は子どもと教科書ネット21、韓国側協力機関は韓国国際交流協会だ。
人民大学キャンパスの国際関係学院408会議室で開かれたこのフォーラムに中国マスコミの関心は高かったようで、TVカメラが2台、新聞記者も数人が陣取っている。
フォーラム初日は黄大慧人民大学教授の挨拶ではじまった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「中日韓3国の学者が一堂に介し、東アジア共同体という1つの目標を目指している。しかしここ数年、日本だけが歴史の進歩から後退しているように見える。……日本の失われた20年は、ただ経済の問題だけではない。より大きく後退したのは歴史問題だ……」