幹部用の新年の贈り物が中国から大量に流入する年末。例年なら税関は大忙しだが、この年末は閑散としていた。北朝鮮の税関が貿易会社に贈り物を要求しすぎたため、中国から物が入ってこなくなったためだ。

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中朝国境の橋を渡る列車(資料写真)

咸鏡北道のデイリーNK内部情報筋は次のように伝える。

「税関は新年用の物資の輸入で賑わう時期だが今年は静かだ」
「貿易会社に課される税関と保衛部所属検閲員からの『宿題』が多すぎるためだ」

ここで言われている「宿題」とは、中国の貿易業者との面談のために税関にやって来る貿易会社関係者が保衛員から要求される高級酒、キャンディなどのお菓子、果物のことだ。数十ケースを要求されることも多く、ひどい場合にはパソコン、テレビなどの高価な家電製品を要求されることすらある。

「宿題」として集められた物品は各道の保衛部幹部に賄賂として渡される。一年を安泰に過ごせるかどうかは新年の贈り物がモノを言う。それで税関職員と保衛員たちは、貿易関係者に贈り物をせびるのだ。

「税関の連中は貿易関係者が現れれば『税関の宿題をやってよ』としつこく言い、要求品目のリストを渡す」
「彼らの要求を無視すれば、中国の貿易業者との次の面談の時に必ず不利益がある」

北朝鮮の貿易会社は、中国の貿易業者との面談を四半期ごとに道の保衛部を通じて申し込む。許可が降りるのは1?2ヶ月後。

この期間中に「宿題」をこなした貿易会社は、道の保衛部の面談承認なしでも「特別面談」が1、2回許可される。こなせなければ面談の許可が降りないので、貿易関係者は泣く泣く「宿題」をこなせなければならない。

また、税関職員の宿題を忠実にこなせなければ、盗聴器がしかけられた部屋で中国の貿易業者と話すことになる。ソファに座った瞬間から盗聴器のスイッチが入っておちおちと話もできなくなる。

北朝鮮の貿易会社は「宿題」の重荷を避けるために「面談は年を越してからにしよう」と中国の貿易業者に提案する。「その辺の事情に詳しい中国の貿易業者は年を越すまで税関にやって来ようとしない」と内部情報筋は伝える。

【参考記事】華僑の「商魂」、北朝鮮でも健在