密かに出回る「ヤバい作品」

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アジアプレスは最近、金正恩氏が登場して以降の思想統制の動向をつぶさに追った『北朝鮮内部映像・文書資料集』を編さんした。その中には、楽団ポルノ事件のあった昨年の夏以降、「不純録画物」の取締りがこれまでにも増して強化された様子を伝える住民の肉声が、いくつも収められている。

「銃殺したんですよ。2人を。……不純録画物(のせい)で殺されました」
「とにかく12月までに、悪い録画物を見たことを自分からすべて自首しなさいと。そういう内容で保衛部が講演をした」
(※アジアプレスは、中国キャリアの携帯電話を北朝鮮北部地域に投入して日常的に取材協力者と通話している。)

ここで言われている「不純録画物」には、ポルノばかりでなく、韓流ドラマなどありとあらゆる海外の映像作品が含まれている。そうした作品をどれかひとつでも観たことがバレたら――仮にそれが日本のアニメのようなものであっても、問答無用で処刑されてしまうのか。