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もっとも、映画制作会社に対するサイバー攻撃が本当に北朝鮮によるものであったかどうか、私はまだ、自信を持って言うことができない。

ハッキングで社員や俳優らの個人情報を抜き出し、それを少しずつさらすことで会社を孤立させ、映画を公開中止に追い込む――北朝鮮にしては、やけに洗練されたやり方だ。資本主義との接点がきわめて狭く、世間知らずなところの多い彼らが、いつの間にこんなセンスを身に付けたのか。同様の違和感を抱く北朝鮮専門家が、私の周りには少なくない。

しかしもはや、北朝鮮がやったかどうかは問題ではないのかもしれない。米国政府が北朝鮮の犯行と断定したからには、正恩氏は自らの「権威」をかけて米国と向き合うことになる。自らを揶揄することすら許さぬ男は、世界中が見守る中で追いつめられたとき、果たしてどのような選択をするのだろうか。(了)

(取材・文/ ジャーナリスト 李策)

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