一方で金正恩が後継者として修行を積む時間は短かった。金正日の死後わずか3年で独裁体制を構築したが、それを「金正恩の独裁システムの完成」と言えるのだろうか。答えはNOだ。
金正恩は金正日時代から亀裂が生じていた独裁システムを恐怖政治でさらに亀裂を深めつつ権力の頂上に登りつめた。その基盤は当然弱くなるならざるを得ない。金正恩政権は砂上の楼閣だ。
金正恩が恐怖政治で「信頼性が高く、恒久的な持続状態」を安定させることができるだろうか?それは無理だろう。金正恩が独裁権力を維持するにはどうすべきか?それには経済を再生させて側近の側近の忠誠心を引き出すことだろう。
しかし、金正恩を取り巻く環境はすべて良くない。大急ぎで登りつめた分、下るときのスピードは速いだろう。それは2015年から始まる。
(文/孫光柱(ソン・ガンジュ)デイリーNK統一戦略研究所所長)