両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)にある「三池淵精密機械工場(95号軍需工場)」が、金正日氏の専用駅と近いという理由で生産を中断して移転することが判明した。 両江道のデイリーNK内部情報筋によると、金正日氏の指示で95号工場を平安北道のクソン郡ペグン里に移すことになり、工場の移転のために、今は生産を中止しており、4月1日から設備の解体作業に取りかかるとのことだ。 三池淵の工場は北朝鮮軍の基本的な個人兵器である7.62mm AK自動小銃の弾丸をはじめとし、各種の実弾や特殊弾を生産する工場で、北朝鮮では最大の軍需工場だ。年間の生産量は5百万発で、すべての生産施設が地下にある。1990年代初頭には、中東やアフリカ等に多くの実弾を輸出した。

情報筋は「三池淵の工場が移転する理由は、恵山市のコムサン洞ワンドク駅(1号駅と呼ばれる金正日氏専用駅)のためだ」「駅を移そうとしたが、適当な場所がなくて軍需工場を移すことにした」と説明した。 ワンドク駅は三池淵の工場と800メートル離れている。白頭山と白頭山の別荘に向う金正日氏の専用道路ともつながっている金正日氏専用駅だ。金正日氏は毎年、ワンドク駅まで列車でやって来て、両江道の現地視察を行ったり、夏にはワンドク駅とつながった専用道路を利用して白頭山の別荘に行き、休暇を楽しむと言われている。 情報筋は「元々金正日氏は、ワンドク駅に来て両江道の視察もでき、有事の時には誰も入って来ることができない専用駅を利用して軍需物資をす早く移すこともできると高く評価していた」「専用道路とつながっており、白頭山もすぐに訪問できるため、ワンドク駅はいい場所にあった」と説明した。 しかし、2004年の平安北道龍川駅の爆発事故以降、状況が変わり、金正日氏はこの事件の直後に砲弾倉庫や燃油タンク、爆発性火器を扱う軍需工場に対する現地視察は一切中断しているとのことだ。

また、火薬を沢山扱う工場で爆発が起きた場合、工場のそばにかかっている鉄橋とレールはもちろん、近くにある金正日氏専用駅にも類が及ぶという不安から、専用駅を適当な位置に移すようにという金正日氏の指示があった しかし、金正日氏の専用道路とつなげられるいい移転先が見つからなかったため、三池淵精密機械工場を移すことにした。 龍川の爆発事故以降、金正日氏が両江道を現地視察する際にはワンドク駅を利用していない。幹部たちは「将軍様の安全と直結した問題で、将軍様がかなりの不便さを感じておられるため、一刻でも早く工場を移転しなければならない」と言っている。 住民の間からは不満の声が上がっている。 「楽に特閣に行きたいから工場を移したのだろう」 「軍需工場のほとんどが地下にあるので、移転には莫大な予算がかかる。しかも、移転先の地下施設が完成していないので、当面は外で生産するらしい」 「人民の生活が苦しいのに、大金を使って工場を移転するのは納得できない」(内部情報筋)

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